私が昔から大好きなコメディ集団に「モンティ・パイソン」があります。
モンティ・パイソンは、ジョン・クリーズやグレアム・チャップマン、エリック・アイドル、テリー・ジョーンズなど6人のメンバーで構成されたイギリスを代表するコメディグループで、メンバー全員がオックスフォードやケンブリッジ大学出身といった、いわゆる超インテリという点でも、他には類を見ない存在でした。
そんな彼らが、自らそんなインテリたちを揶揄うような、辛辣な内容のスケッチを次から次へと制作。
1960年代末から放送が始まった「空飛ぶモンティ・パイソン」では、「バカな歩き方省」「スペイン宗教裁判」「スパム」「ナッジナッジ(ちょんちょん、みたいな意味の言葉)」「死んだオウム」など、今でも多分イギリス人なら「あ~あれねぇ」という、有名なギャグが多数生まれました。
中には、舞台がテレビのインタビュー番組で、そこに登場するインタビュアーは至って真面目に相手にインタビューをしているのに、それを受けているのが、なぜか全裸の男!(インタビュアーは、彼を「ヌードマン」と呼んでいる)で、その男も全く当たり前の顔をして、真面目にそれに答えている(内容は多分政治がらみの話)という、とてもシュールなスケッチもありました。
今回イギリスの公開オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」に挑戦した「とにかく明るい安村」さんが、日本人としては初めて決勝まで進んだことが話題になりましたが、彼の「裸芸」が受け入れられる「素地」は、ずっと昔からイギリスにはあったんだなぁと、私は思った次第です。
それでもやっぱりこの番組で決勝まで進んだ安村さんはすごい。
辛口で知られる審査員の面々を大笑いさせ、最終的には彼らだけでなく、会場のお客さん全ても味方につけてしまったあの勢いには、見ていて圧倒されました。
イギリスでは「トニー」としてすっかり有名人になった安村さん。
これから芸の幅が一層広がり、活躍場所もぐんと広がっていくことでしょう。
この先のご活躍を期待しています。