当初は1億円集まれば御の字!と思っていたのが、蓋を開けてみたらその9倍以上ものお金が集まった。
そんな奇跡みたいなお話が実際に起きました。
それは国立科学博物館が今年8月7日からスタートしたクラウドファンディング。
「科博」とも呼ばれる同博物館では、コロナ禍による入館者の激減や、昨今の物価高騰により、元から余裕のない運営状況の中、これまでなんとか自助努力で運営を行ってきました。
国立の施設なのですから本来は国からの支援がもっとあって然るべきなのでは?と思ったりもしますが、現実問題として国からこれ以上の支援は望めそうもない。
そこで苦肉の策として、科博は今回のクラファンに一縷の望みをかけたのでしょう。
元々は1億円が目標であり、それすらももしかすると達成できるかどうか・・・おそらく科博の関係者は本当に心配されていたと思います。
しかし、このクラファンの話題は、日々の仕事に苦労する科博スタッフの方々の様子と一緒に各メディアに大きく取り上げられました。
すると直後に支援が殺到、一時はサイトが繋がりにくくなったといいます。
そして当初の目標額1億は初日に達成、その後も支援の輪は広がり、最終日の5日には9億を突破しました。
銀行振り込みによる支援もあるので、最終的な額は11月13日までに確定する見通しだそうですが、同博物館の館長篠田謙一氏は、「まずはなんといっても驚きと感謝です。」と感謝を述べ、「同じようなクラウドファンディングはもう2度とできないと思っています。館の安定的な運営を考えれば、今回支援をしてくださった方たちに、継続的に科博を支援していただけるサポーターになっていただくことも必要だと考えています。」と、今後に残された課題にも触れました。
小さな力がたくさん集まれば、こんな素晴らしいことが起きるんだという、見本のような今回の出来事。
暗い話題が多い中、このニュースは気持ちを明るくしてくれました。