「STAY WITH ME・・・ 真夜中のドアをたたき 帰らないでと泣いた あの季節が今目の前」
今でもそらで歌えるこの曲は、今から約40年前にリリースされた「真夜中のドア~Stay With Me」という作品です。
歌っていたのは松原みきさん。
当時20歳になるかどうかという若さで、本作は彼女のデビュー曲でした。
今聞いても、可愛さと大人っぽさが絶妙に溶け合った伸びのあるボーカルが素晴らしく、楽曲はいわゆる「シティポップ」の良さがふんだんに表に出た優れた出来になっており、私個人にとっても忘れがたい作品となっています。
そんな今から40年以上も前にリリースされた本作が、なぜか今世界規模で人気になっているということを知り、驚くと同時に「よかったーうれしい!」という気持ちでいっぱいです。
今この曲がグローバルに注目されている状況の土台には、ここ数年間で高まった日本の「シティポップ」に対する欧米・アジアからの人気があると言われています。
「シティポップ」とは、1970年代から1980年代にかけて日本で流行した都会的で洗練され、洋楽をベースにしたメロディや歌詞を持つ音楽のこと。
代表的なアーティストとしては、山下達郎・大貫妙子・大滝詠一・竹内まりや・松任谷由実などの名が挙げられます。
「真夜中のドア~Stay With Me」を作曲した林哲司氏もシティポップ的な作品をたくさん作り、自らも歌ってきた方。
この曲を作ってくれただけでも個人的には「ありがとうございました!」と言いたいですが、彼にはこれ以外にも竹内まりやの「SEPTEMBER」や杏里の「悲しみがとまらない」、上田正樹の「悲し色やね」など、たくさんの素晴らしい楽曲・ヒット曲があることを知り、今更ながら「たくさんの素敵な曲を作ってくださり、ありがとうございます!」とお礼を言いたい気持ちです。
そして「真夜中のドア~Stay With Me」は、インドネシアで国民的人気を博する女性ユーチューバー・Rainychがカバーしたことで一挙に再注目されることになりました。
その後じわじわと人気を広げていった本作は、Spotifyのグローバルバイラルチャートにランクインし、アメリカ他数十カ国のローカルバイラルチャートにもランクイン。
良い曲は時代も国境も超えるんだな、ということを改めて信じさせてくれました。
唯一残念なのは、この曲を歌った松原みきさんが2004年に44歳の若さで亡くなられたことです。
もし今生きていれば私と同世代だった松原さん。
あなたの歌が今世界中で聞かれていますよ、と言ってあげたいです。