健康

血液検査でアルツハイマーを高精度推定することが可能に

長生きはしたいけど、人に迷惑をかけてまで生きることはしたくない。

そんなふうに思っているシニア世代の声をよく耳にします。

私自身、できるだけ長く自分自身のことは自分で面倒みたいので、定期的に運動をしたり、食事内容に気を配ったり、眠りやすいウエアや寝具を取り入れたりと、自分なりに努力はしています。

しかし、どんなに気を配っていても人間は病気にかかるもの。

そして、できれば一番なりたくないと思われているであろう病気が、おそらく「認知症」だと思います。

最近では、認知症を患った人みずからが自身の体験を語ったり、コミュニティを作ったりして「生の声」を発信するなど、少しづつですが風向きは変わってきているようにも見えますが、一度かかると進行するだけで治らない、という概念が私たちの中に強いため、「早期発見・早期治療」がとにかく大切なんだろうな、と感じています。

さて、認知症にはいくつかのタイプがあることは皆さんご存知だと思いますが、最も割合の高い「アルツハイマー型認知症」に関して、東京大学の研究グループがある画期的な発表をしました。

それは、「アルツハイマー病の原因とされる異常な蛋白質(アミロイドβやタウなど)が脳内に蓄積されているかどうかについて、血液検査で無症状であっても高精度に推定が可能になる手法を開発した」というものです。

通常、認知症の疑いがある場合には、問診、身体検査、画像検査、神経心理学的検査の順番に検査が行われ、 画像検査では、脳の萎縮状態を調べるためにCTやMRIなどが使用されますが、無症状の人には適応されません。

しかし今回発表された検査では、無症状でも異常な蛋白質が脳内に蓄積されているかどうか、血液検査で高精度に推定が可能になるわけですから、検査を望む人の体に負担の少ない形で行える点でも、非常に期待される内容だと思われます。

もちろん今はまだ開発初期段階ですので、この先にはまだいろいろな問題をクリアしなければならないかもしれません。

それでも、超初期にアルツハイマー型認知症の「兆し」を見つけ出し、承認された薬「レカネマブ」を投与することで、病気の進行を遅くし、患者さんのクオリティオブライフを高めるのに大きく役立つことは間違いないでしょう。

ぜひ近いうちにこの手法が一般化されることを心から祈っています。

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