TVドラマ「必殺」シリーズといえば、何と言っても「パララ~~♪」という緊迫感を煽るあのトランペットの響きがまず最初に思い浮かびます。
あの印象的なフレーズを吹かれているのが、数原晋(かずはらしん)さんでした。
その数原さんが亡くなっていたことが10日までにわかり、これまで関わりのあった多くの音楽関係者からその才能を惜しむ声が上がっています。
数原さんはもともと一般企業で仕事をされていたそうですが、どうしても音楽をあきらめきれず、音大に進学。
そこから「高橋達也と東京ユニオン」などのバンドを経て、やがてフリーのトランペットプレイヤーとして独立し、そこから数々の「名演奏」を披露していくことになります。
冒頭であげた「必殺」シリーズや、イントロののびやかな演奏が印象的だった山口百恵の「いい日旅立ち」、今でも度々耳にする「アメリカ横断ウルトラクイズ」のメインテーマなど、数原さんが吹くトランペット演奏には日本人なら多分一度はどこかで聞いたことがある作品が本当にたくさんあって驚きます。
正直作品が有名な割には、それを誰が演奏されていたのかなどについては一般にはあまり周知されていなかったのではないかと思います。
でもこうして並べてみると実に多ジャンルの仕事に携わり、しかもいずれも秀逸な出来だったことがわかるので、音楽界にとっても数原さんの死去は大きな損失になるでしょう。
74歳はちょっと早すぎますよね。
でも、空の上に登られた今は、もう安心してゆっくりと大好きなトランペットを好きなだけ吹いてほしいと思います。