物忘れがひどくなったり、人格が変化したり、言葉がおかしくなったり、徘徊をしたり・・・
いわゆる「認知症」と一括りで言われることの多いそういった症状の中でも、最も割合の多いのが「アルツハイマー病」です。
現在アルツハイマー病には、病状の進行を遅らせる「アリセプト」という薬がありますが、これはあくまでも進みを遅くするだけであって、病気そのものを「治す」ことはできません。
しかし長年の研究開発により、とうとうアルツハイマー病の根本原因に直接作用する治療薬ができたそうです。
薬剤名は「アデュカムマブ」、ちょっと言いにくい名前ですが、多分これから各所で目にすることが増えてくるでしょう。
そもそもアルツハイマー病は、脳の中に有害なタンパク質が蓄積した結果認知機能を低下させることによって起きると考えられており、この「アデュカムマブ」はそういった有害なタンパク質を取り除く働きがあるのだそうです。
この薬剤をアメリカのFDA(食品医薬品局)が7日に承認しました。
ただし、本薬剤の有効性を検証するため、承認後も臨床試験を行うことを義務付け、効果が得られなければ承認を取り消す可能性がある、という条件付きの承認ではありますが、アルツハイマー病を起こす根本原因にピンポイントで働きかける治療薬はこれが初めてであることには変わりありません。
そして本薬剤を開発したのは、日本のエーザイとアメリカのバイオジェンヌ。
この2社による共同開発で誕生した「アデュカムマブ」が、これから多くの人たちを救ってくれることを心から祈っています。