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萩尾望都氏 アメリカのコミック殿堂入り

ヨーロッパの伝説「吸血鬼」をテーマに描かれた「ポーの一族」や、ドイツのギムナジウムを舞台にした少年たちの愛憎を描く「トーマの心臓」、テレビドラマ化もされた「イグアナの娘」など、数多くのヒット作品を持つ漫画家・萩尾望都氏。

「花の24年組」と呼ばれた竹宮惠子・山岸涼子・大島弓子らそれまでの漫画にはない、新鮮な作風で当時少女だった私たちの心を大いにざわざわさせてくれた女性漫画家たちの中に、萩尾さんもいました。

萩尾さんの作風は、とにかく繊細で儚げで、美しく、今でいうBLの世界を先取りしたような耽美な世界が物語の中で繰り広げられ、それまでこういった作品を読んだことがなかった私などは、読みながらどきどきしたものです。

その萩尾望都さんが、このたびアメリカの権威ある漫画賞「アイズナー賞」で、優れた作品を残した漫画家を表彰する「コミックの殿堂」を受賞された、と小学館から発表がありました。

この賞は、漫画家の殿堂入りを認めるもので、日本人としての受賞は、手塚治虫、大友克洋、宮崎駿らにつづく7人目とのこと。

今回の受賞を受けて萩尾さんは、「私の尊敬する漫画家は手塚治虫です。(中略)私は10代の頃、そういう手塚治虫の作品に感動して漫画家の道を目指しました。そして今、アメリカのアイズナー賞をいただいています。文化や表現はこのように派生し受け継がれていくのだと、改めて思います。そして、私の作品を読んでくださったたくさんの方に感謝します。漫画という文化を世界の人々が愛して下さるのを心から感謝します」とコメントしました。

手塚治虫の漫画に衝撃を受けて、多くの漫画家が誕生したように、きっと萩尾さんの漫画に影響を受けて、漫画家を目指し、中には実際に漫画家として活躍されている方もいらっしゃることでしょう。

萩尾さんがおっしゃるように、文化とはそのようにして受け継がれていくものなんだろうなぁと感じ入りました。

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