その昔、実家にあった電話は黒いダイヤル式のものでした。
その電話が実家に来たのは私が小学校中学年ぐらいの頃で、それまでは「呼び出し」と言って、隣近所に電話があるお宅にかかってきた電話を取り次いでもらう、という今思えば本当に「昭和ならでは」な光景が日常だったのです。
黒くて重いダイヤル式の電話はいつしかカラー電話へ、そしてプッシュ式電話へ、やがてコードレスのものへと変化していきました。
録音機能がついた時は、「すごいものができた!」と思ったものですが、今は一人一人がスマホを持ち歩く時代。
次第に家庭内の固定電話は影の薄い存在になっていきましたね。
家に固定電話を置かない人も増えたそうですが、それでも私ぐらいの世代の感覚からすると、大切な連絡ごとは固定電話で、と思う人がまだ多いような気がします。
その固定電話の通話料金は、これまで電話をかける相手先が遠ければ遠いほど高くなる、というのが通念でした。
しかし年あけ早々、固定電話(加入電話・INSネット)の局内設備のIP網移行が開始され、1月末ごろまでには固定電話発と公衆電話発の料金が、距離に依存しない全国一律の料金体系になることが、NTT東日本とNTT西日本から発表されました。
利用料金は全国一律3分9.35円です。
これは、NTT東日本・NTT西日本の切替後の加入電話・INSネット・「ひかり電話」と「コラボ光ひかり電話」(テレビ電話・データコネクト・データコネクト通信中の音声通話は除く)、他社加入電話、他社IP電話(050番号への通話を除く)へ発信する場合の料金で、携帯電話等への通話料金は異なるそう。
切り替えに伴うユーザー側の手続や工事は不要で、電話番号や電話機もそのまま利用でき、切換工事中に通話・通信が切断されることもないそうなので、その点は安心ですね。
ただし、今回の切り替えにより、一部終了または通話料が変更となるサービスもあり、電話回線を介してデータ通信が可能な「INSネット(ディジタル通信モード)」や、「テレホーダイ」など各種割引サービスも廃止となるとのことなので、ご注意ください。
切換工事は1月1日の4時から順次開始され、1月31日0時には全国で切換が完了する見込み。
詳細は、NTT東日本の「ニュースリリース」、ならびにNTT東・西日本それぞれの「固定電話のIP網移行」でご確認ください。