「何かを始めるのに遅すぎるということはない」というフレーズが大好きです。
これとほぼ同様のことを、ある女性がおっしゃっていました。
「学ぶのに遅すぎることは絶対にない」というのが、その方の言葉です。
ITエヴァンジェリストという肩書きを持つ彼女の名前は若宮正子さん。
現在86歳の若宮さんは、2017年に開発した「hinadan」というゲームアプリで、AppleのCEO、ティム・クック氏から「世界最高齢のアプリ開発者」と紹介された方です。
まずその年齢に驚きましたが、若宮さんが本格的にプログラミング学習を始めたのが80歳を超えてから、というのにはもっと驚きました。
普通80代ともなると、「インターネット?いや、自分はそういうの苦手だから、子供たちに代わりにやってもらってる」という人が多いように思うからです。
若宮さんは若い頃から銀行にお勤めになり、その頃から企画力が抜群だったようで、管理職にまで就任されています。
そして定年後、疎遠になってしまった友人たちと連絡を取り合うためにPCを購入し、パソコン通信を始めたそうです。
それが若宮さんとデジタルを結ぶ最初のきっかけで、やがて紙袋やブックカバーなどのデザインをMicrosoft Excelの罫線機能とセルの塗りつぶし機能を用いて作成する「Excelアート」を考案。
「Excelアート」は、「エクセルの新しい使い方」であると、Microsoftから評価を受けています。
今朝の情報バラエティ番組にゲスト出演された若宮さんは、その「Excelアート」の柄を使った色鮮やかなブラウスを着用されており、柔らかな笑顔と自然なグレイショートヘアによく映えていました。
以前、「最高齢のインストラクター」として、65歳から運動を始め、87歳でインストラクターになり、現在90歳の瀧島未香さんのことを取り上げたことがありましたが、若宮さんといい、瀧島さんといい、全く分野は違えども、本当に人は年齢に関係なく能力を発揮できるんだ、と勇気を与えてくれる方たちですね。
もちろん誰もが皆彼女たちと同じようにはなれません。
でも、「自分はこんなことが好き・得意」と思えるものが一つでもあれば、それを自分の軸にして、何歳になっても元気で生き生きと過ごしていける、そんな風に思わせてくれる若宮さんの言葉でした。