ハーブやアロマオイルに一時期夢中になったことがありました。
今でもその頃に買い集めた関連書籍や、イギリスに旅行した折に購入したアロマオイルのボトルなどが手元に残されています。
イギリスは、ハーブやアロマの本場です。
そして、そんなハーブやアロマなどを日常生活にフルで取り入れ、そのゆったりとした生き方が多くの人たちから支持されたイギリス人のハーブ研究家 ベニシア・スタンリー・スミスさんが,6月21日に亡くなりました。
ベニシアさんはイギリス貴族階級の出身で、通常ならばそのまま貴族の一員として人生を送るはずの人でしたが、さまざまな経緯を経て日本に辿り着き、やがて日本の男性と結婚。
終の住処は京都・大原となりました。
その大原での四季折々の暮らしぶりを記録したのが、NHKの番組「猫のしっぽ カエルの手」です。
私はこの番組が大好きでした。
どんなに疲れていても、この番組を見ると、カサカサの心が潤うような気がしたものです。
イギリスはガーデニングの本場でもあります。
そんなガーデニングのエッセンスを、ベニシアさんは日本の風土の中でも無理なく取り入れて、四季それぞれの草花を生活の中に上手に生かしていました。
ドライハーブをお茶にしたり、ヨモギをペーストにしたり、セージでうがい薬を作ったりと、植物を無駄にすることなく、生かし切る。
そんな丁寧な暮らしぶりは、私を含めた多くの人々の心をとらえたのです。
近年は目が不自由になり、施設に入所されたということを聞いていました。
あまりにも早いお別れに、今はただご冥福をお祈りするしかありません。
ベニシアさん、本当にありがとうございました。