自分もイラストや漫画っぽい絵を描くのが趣味なのでよくわかるのですが、ある程度年齢が行くと集中して絵を描くのがとても大変になります。
それは集中力が、というよりは主に「目が辛い」とか「腰が辛い」といった肉体的な問題で、です。
実際もっと若い頃には1日に相当な量のイラストを描いても平気だったのが、最近では1日に決まった時間しか描けない。
あまり根を詰めすぎると、後々いろいろ不都合が出てきてしまうからです・・・。
それを知っているからこそ、現在84歳のさいとう・たかお先生が4月5日に刊行された「ゴルゴ13 200 亡者と死臭の大地」で、コミックス200巻を達成したというニュースには、本当に「すごい!素晴らしい!」という気持ちになりました。
いや、漫画家でもプロ中のプロであるさいとう先生と、趣味で絵を描いているだけの私なんぞと比較するなんて、おこがましいにもほどがあるのはもちろん重々承知の上ではあります。
が、それでも80代といえば、結構な割合で例えば白内障などの手術を受ける人がいる世代ですから、余計に「すごい」と感じてしまうんですよね。
そしてもちろん、「ゴルゴ13」の主人公、デューク東郷という唯一無二のキャラクターをこの世に誕生させたさいとう先生の手腕は掛け値無しに素晴らしいと思います。
照準器のついたライフルを構え、狙った獲物は必ず仕留めるスナイパー、デューク東郷。
極太の眉毛と、どんな状況下でもほとんど表情を変えないその独特のフォルムは、作品自体を読んだことがない人でも必ずどこかで目にしたことがあるはずです。
そして今回の200巻達成で「ゴルゴ13」は、すでに「コミック発行巻数世界最高記録」を持つ秋本治作「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の記録に並びました。
秋元先生は「こち亀」の中に、明らかに「ゴルゴ13」をイメージしただろうと思われるキャラを登場させていますので、きっと今回の記録達成を喜んでいらっしゃるのじゃないでしょうか。
このようなニュースは本当に嬉しいし、さいとう先生にはこの先も健康に留意しながら、できるだけたくさんの作品を描いていただきたいと願っています。