先日亡くなったエリザベス女王の国葬が9月19日に行われます。
日本からは天皇陛下と雅子妃が日本を代表して現地に赴かれることになりました。
お二人ともイギリス王室とは深いつながりがあり、それぞれ強い思い入れをお持ちでいらっしゃることでしょう。
雅子様にとっては久しぶりの海外公務となりますが、かなりタイトなスケジュールだと思われますので、どうか体調を崩されませんようにと、心から願っております。
さて、各国首脳が顔をそろえる女王の国葬に先立ち、現在行われているのが、一般の人々を対象にした弔問です。
現地時間9月14日にウェストミンスター宮殿内のウェストミンスターホールに運ばれた女王の棺は、古式ゆかしいコスチュームを身に纏った複数の「番人たち」によって24時間守られてホール内に安置されています。
そのホール内には、続々と女王と最後のお別れをするため多くの人たちが訪れており、そのための行列は8キロ以上に及び、待ち時間は10時間を超えるという途方もない規模となっています。
自分がこれまでに行列に並んだ最長記録は約6時間。
それでも「もうこれ以上列に並ぶなんてことできないな」と思ったほどしんどかったことを思うと、女王の棺と対面するほんの数秒のために10数時間並び続ける人々にはただただ「すごい」という言葉しか出てきませんね。
夜を徹して並び、黙々と歩き続ける人たちをテレビ画面を通して見ていると、エリザベス女王がいかに人々から愛されていたかが改めて感じられました。
さて、そんなとんでもない行列の中に、元プロサッカー選手でグローバルに有名なデヴィッド・ベッカム氏が参加していたことが報じられています。
有名人であっても他の人たち同様「1イギリス国民として」長い行列に加わり、最終的には約13時間をかけて女王の棺と対面を果たしたベッカム氏は、BBCのインタビュアーに対し次のようなコメントをしました。
「午前2時に来れば少し静かかと思っていた。間違っていたよ。みんなも同じことを考えていた。」
「僕たちはみんなでこれを経験している。正直に言うと誰もが思い描いていたことだ。みんな、ここに一緒にいたいんだ。」
「僕たちはみんな女王の素晴らしい人生を祝福する何かを経験したいと思っている。だからこうやって並ぶことには、みんなで分かち合うという意味があると思う。ここに来てプリングルスを食べ、レモンシャーベットを食べ、サンドイッチを食べ、コーヒーを飲み、ドーナツを食べるっていう事実にね。」
長い長い行列でも、誰からも不平不満が出ず、たどり着いたホール内でも驚くほど静かに、一人一人がそれぞれのやり方で女王との最後のお別れをしている。
そんな姿とベッカム氏のコメントからは、イギリス人の良さが最大限に感じられるようで、イギリス好きな私にとってこの数日はある意味得難いものになりました。