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飲食店での感染予防に一石を投じる「黙食」

「黙食(もくしょく)」は、文字通り「黙って食べる」を意味するワードですが、今このワードがコロナ禍で苦悩する飲食店から発信されて話題になっています。

店先のPOPに「黙食(もくしょく)にご協力ください」という文言を載せたのは、福岡市南区でカレー店「マサラキッチン」を営む店長の三辻忍氏。

デザイナー出身の三辻氏が2014年にオープンした「マサラキッチン」は、チキンカレーが看板メニューのカレー専門店で、新型コロナ感染が拡大してきてからは、「マスクを着けていない方は入店拒否」「食事中以外はマスク着用必須」「座席制限」「1グループ1会計」など、飲食店としてはほぼ考え得る限り厳密な対策を講じてきました。

当初はそれを嫌がるお客さんも多かったそうですが、次第に店側の趣旨に賛同してルールを守ってくれる人たちが増えたそうです。

しかし、こと「会話」に関しては、どうしてもルールを守らない一部の人がおり、そのために店での対策そのものが無効化されてしまう「不合理」を感じることがあったとのこと。

そこで行き着いたのが今回の「黙食」という表現でした。

人によっては「何で店がそんな上からな言い方をする?」とか「表現が強すぎないか」などと感じることでしょう。

しかし、現実問題としてそれくらい強く言わないと、店側の必死・真剣な気持ちが伝わりにくいのではないかと個人的には感じます。

そして、大切なのは「マサラキッチン」のPOPにもある「お食事中の会話が飛沫感染リスクになります」という点で、この一点さえクリアできれば飲食店での感染リスクはグンっと低下するのではないでしょうか。

これまでの習慣でつい「食事+会話」をやってしまいがちなのは、誰でも同じ。

今は一旦その習慣を手放して、「外食するなら黙って食べて、食べ終わったらマスクをして会話する」を徹底することが重要になると思います。

または、孤食(おひとりさまの食事)を積極的に歓迎するようなお店がもっと増えれば、一人での食事ではまずベラベラ喋ることはないでしょうし、一人客の場合は回転が早いので、その分多くのお客さんを呼べることになる・・・ように、新しい角度での飲食店の形を探っていくこともこれからは必要になるかもしれませんね。

国や各自治体には、こういった一般の人たちからの声に敏感に反応して、スピーディーに対策を打ち出してもらいたいです。

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