身の回りのものがどんどん値上げされ続ける中、サイゼリヤが「値上げしません」宣言!
昨日会見に臨んだサイゼリヤの松谷秀治社長の口から最初に飛び出したのは、「一番に言わなければいけないのは、値上げをしないということだ」でした。
サイゼリヤは、イタリア料理チェーンを国内外で計約1500店出している企業。
苦戦しているところが多いファミレス業界にあって、低価格メニューの充実を実現させて人気を集め、昨日の会見で発表された2022年8月期決算では、売上高が前年比14.0%増の1442億円、純利益が同3.2倍の56億円となり、増収増益となったことがわかっています。
しかし冒頭でも触れたように、現在の日本国内はウクライナ問題や急速な円安の進行のため、輸入小麦など食料品価格の値上がりが続いており、原材料に占める輸入品の割合が多いサイゼリヤは、相当な経費負担が増えているはず。
実際円安が1円進むと、月あたり1千万円ほど経費が増える計算になるそうです。
そんな状況下で、先月社長に就任したばかりの松谷氏はなぜ「値上げしない」と宣言したのでしょうか。
その理由について松谷氏は、「給料が物価(上昇)に追いついていない。暮らしが厳しい中、安くて良いものを出す使命がある」と語りました。
確かに日本では物価が値上がりする一方で、給料がほとんど増えず、私たちは日々のやりくりに四苦八苦しています。
そんな状況では、外食を楽しもうという気持ちもなかなか起きては来ないでしょう。
ですから、元々リーズナブルな価格設定だったサイゼリヤが今回「値上げしません」宣言をしてくれたことは、とてもありがたいです。
反面、その「安さ」がサイゼリヤで働くスタッフさんたちの労働環境の悪化などに繋がらなければ良いけれど・・・という危惧感も抱いてしまうのですが、松谷氏は約500店に増えた海外店舗では、円安による増益効果が見込めるとして、メニューの価格は今後も据え置く考えを強調されました。
なるほど、円安は国外では国内とは逆の効果が望めるわけですね。
そういったことも含めての今回の「値上げしません」宣言なのか、と納得した私でした。