「漫画」といえば、今でこそ様々な絵柄や表現方法のものがありますが、私が子供だった頃はまだデフォルメされたもの、柔らかなタッチのものが主流でした。
そんな漫画の世界に「劇画」という新しいタイプのものが現れたのは、「貸本屋」全盛の頃です。
そういえば私が小学校低学年の頃までは、貸本屋で本を借りていた記憶がありますね。
いつのまにかその本屋さんはなくなっていましたが、その店では楳図かずおさんの「怖い漫画」をよく借りていましたっけ。
その頃きっとその貸本屋さんにも、さいとう・たかをさんの劇が作品が置いてあったんでしょうね。
そんな「劇画」という分野で一時代を築いた漫画家、さいとう・たかを氏が9月24日に84歳で亡くなったというニュースが流れました。
すい臓がんを患っておられたそうです。
さいとうさんの最も有名な作品「ゴルゴ13」シリーズは、今年7月に「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」として、ギネスに認定されたばかり。
「ゴルゴ13」は、1968年に「ビッグコミック」誌に初めて掲載されてからこれまでずっと連載が続いてきました。
激務のせいか、早世したり病気がちだったりする人の多い漫画家の中で、80歳を超えてなお創作活動に励まれるその姿は、私たちも励まされるような尊いものでしたね。
また、さいとう氏は早くから漫画の分業体制を取り入れたことでも知られており、「ゴルゴ13」についてはさいとう氏の遺志に沿い、さいとうプロのスタッフがこの先も連載を担っていくということです。