トラベルミステリーというジャンルで一時代を築いた作家・西村京太郎氏が亡くなりました。
享年91歳。
西村氏の著作中、おそらく最も有名なのは「十津川警部シリーズ」だろうと思います。
鉄道を使ったアリバイ作り、トリックなどがとても緻密に練られていて面白く、原作はドラマ化もされ人気となりましたね。
そういえば、私の亡くなった父も西村氏の著作が大好きで、実家にはたくさんの本がありました。
西村氏の作品を読んでいると、実際に旅をしているような気持ちになれる、そんなことをおっしゃる方も多いようです。
そして、西村氏といえば、その昔親交の厚かったミステリーの女王・山村美紗さんのことが思い出されます。
山村美紗さんの作品も多くがドラマ化されて、今でもあちこちで目にすることができる、そんな点までこのおふたりはよく似ていらっしゃいました。
で、このお二人に共通するのが「ミステリー」小説で、彼らが世に送り出した作品が映像化される時、「きっとどこかに登場する」のが、山村美紗さんの娘さんである山村紅葉さんです。
今や「サスペンスの裏女王」という異名を持つまでになった紅葉さんは、西村氏逝去の報を受け次のようにコメントされました。
「エッ! こんなに早く亡くなるなんて! とショックを受けましたが、享年91歳だった事にむしろ驚いてしまう程、無邪気で少年のような感性を持った方でした。」
「先生の原作のサスペンスに数多く出演させていただき、日本国中の沢山の列車に乗せていただきました。「サスペンスの裏女王 山村紅葉」と呼んでいただけるようになったのは西村先生のおかげです。」
「もっとお目にかかってお話伺いたかったのに残念です。天国から沢山の列車が見渡せますように!」
生涯で700冊近い著作を残された西村京太郎さん。
今頃空の上で、山村美紗さんと再会してミステリ談義に花を咲かせていらっしゃるでしょうか。