果たして開催されるのかどうかさえ、実際始まる直前まで危うかった二度目の東京五輪。
私がまだ生まれてしばらくしか経っていなかった頃に行われた最初の「東京オリンピック」は、ちょうど日本の高度成長期と重なっており、日本全体がまさに勢いの塊のようでした。
その時のオリンピックの模様は、名匠・市川崑監督による公式映画で見ることができますが、今回の「東京2020オリンピック」も記録公式映画として、今年6月に公開予定となっています。
今回作品の監督式を取るのは、海外でも高い評価を受けている河瀬直美氏。
異例づくしだった「東京2020」の映画は、従来のように1本の作品にまとめられるのではなく、表舞台に立つアスリートを中心としたオリンピック関係者たちを描いた「東京2020オリンピック SIDE:A」と、大会関係者、一般市民、ボランティア、医療従事者などの非アスリートたちを描いた「東京2020オリンピック SIDE:B」という、異なる視点から描かれた2作品となって公開されます。
「SIDE:A」は6月3日(金)から、「SIDE:B」は6月24日(金)から、それぞれ全国東宝系の劇場での公開となりますが、この話題の映画のメインテーマ曲を藤井風さんが担当することに決まったと発表がありました。
若手ミュージシャンの中でも、特にずばぬけた才能のきらめきを感じさせる藤井風さんに、河瀬監督は自らオファーをしたそうです。
河瀬氏は、、藤井さんの存在感や歌唱力、コロナ禍デビューという経緯も含め、運命的なものを感じたとのこと。
そして、「藤井風という強く優しいきらめきが、今回のオリンピック映画のひとつの灯火になるはずだと確信して、一緒にこの作品を創ってもらえないかとお話しました」と、オファーに至る経緯を語りました。
それに対し藤井さんは、「このドキュメンタリーで監督が描かれている光と影、そして人生の勝利とは何かという問いに導かれるように姿を現してくれたのが、メインテーマの”The sun and the moon”という曲になります。このドキュメンタリーを目にする方々、そしてこの記録映画が捉えた時代の歩む先が、光の方でありますように」というコメントを返しています。
昨年から藤井さんの活躍に注目していたので、こんな大役に藤井さんが監督自らのオファーを受けたという話には「すごいなぁ、風くん!」と唸るばかりです。
開催されるまで、そして開催されてからも何かと賛否両論のあった「東京2020」ですが、藤井風の音楽がその作品にどのようなマジックをかけてくれるか。
今はそれがとても気になります。