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90歳になった「カーク船長」宇宙へ

「スター・トレック」が大好きな人たちのことを(オタク的な意味で)「スタートレッキアン」と呼ぶのだそうです。

無限に広がる宇宙を舞台に、宇宙船・エンタープライズ号の乗組員を中心としたスケールの大きな物語が展開される、アメリカのテレビドラマシリーズ「スター・トレック」が、私も大好きでした。

当時友人にも「スター・トレック」マニアが一人いて、よくドラマのことで話が盛り上がったものです。

中でも、とんがった耳が特徴的なヴァルカン星人のスポック(レナード・ニモイ)は、つり上がった眉毛でほぼ感情を表に出さないところとか、片手をあげ第二第三指および第四第五指をそれぞれつけた状態で、双方の間をあける独特の「挨拶」の仕方が面白くて、よく真似をしてました。

この沈着冷静なスポックとは対照的に、アクティブで時に直感で動くエンタープライズ号の船長、ジェームス・T・カーク役を演じていたのが、ウィリアム・シャトナー氏です。

シャトナー氏は現在90歳。

その高齢なシャトナー氏がリアルに「宇宙旅行」をした、というニュースが流れ、私たちを驚かせました。

一昔前は、リアルに宇宙飛行をするには、それなりの体力やトレーニング、スキルなどが必要とされてきましたが、ここ数年で民間企業が相次いで一般人を乗せた宇宙飛行に成功し、かなり様子が変わってきたようです。

そういう流れの中で、10月13日にアメリカの宇宙開発企業、ブルー・オリジンが実施した宇宙飛行にシャトナー氏も参加、テキサス州から打ち上げられた宇宙船は大気圏と宇宙の境を超え、11分間の飛行の後砂漠に無事着陸。

ブルー・オリジンの創業者、ジェフ・ベゾス氏が、参加者たちを拍手とシャンパンで出迎えたということです。

90歳での宇宙旅行は、現時点での最高齢記録。

ドラマで長く宇宙船の船長を演じてきたシャトナー氏にとって、今回の「11分」は「想像できる限り最も深遠な体験」だったようです。

そして、かつて「スター・トレック」が大好きだった私にとっても、あのカーク船長がリアルに宇宙を飛んだ!というニュースは、何ともしれぬ嬉しさをくれました。

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