「ボヘミア~~ン」というサビ部分がとても有名な、1983年の大ヒット曲「ボヘミアン」。
もともと別の女性歌手のために用意されていたこの曲を歌ったのが葛城ユキさんでした。
日本の女性シンガーとしてはかなりレアなそのハスキーボイスは、「ボヘミアン」のイメージにぴったりで、メロディも覚えやすく今でもカラオケなどでよく歌われていると思います。
か
アメリカのシンガーにボニー・タイラーという人がいますが、この人の声も相当なハスキーボイスで、初めて葛城さんの歌声を聴いた瞬間「あれっ、ボニータイラー?」と勘違いしたほどです。
実際葛城さんは、ボニーのヒット曲「Sitting on the Edge of the Ocean」を「哀しみのオーシャン」という日本語タイトルでカバーして、ヒットさせています。
その後も時折彼女の話題は、例えば「懐かしのヒット曲」を特集したテレビ番組であったり、夢グループが主催する「夢コンサート」に出演される告知であったりと、いろんなところで見聞きしていました。
ところが昨年4月、葛城さんはステージ4の腹膜炎を患っていることを公表。
年齢を感じさせないスタイルとファッションから、健康そのものの方と思っていたので、この発表には驚きました。
葛城さんはそれから治療に専念し、今年5月のジョイントコンサートでステージ復帰を果たしたのですが、その翌週に体調が悪化。
今月17日に本人自身の強い希望により「夢コンサート」に出演し、昼の部でベット・ミドラーのヒット曲「ローズ」を歌いました。
消え入るような弱々しい声でしたが一曲を歌った彼女は、夜の部で介護ベッドに横たわった状態で登場し「私の人生は、感謝、感謝です」とファンや共演した歌手たちに伝え、それが彼女にとってのラストステージとなったのです。
そして6月27日、葛城さんは体調が急変すると自ら救急車を呼び、関係者にも電話をかけて「今までありがとうございました」とお礼の言葉を告げられたそうです。
自分がもうどれくらい生きていられるかわからない状況で、感謝の気持ちを告げられるだろうか、もしも自分だったら・・・・。
それから約5時間後、葛城さんはごきょうだいやマネージャーらに看取られ、息を引き取りました。
享年73歳。
早すぎるよなぁ・・・とは思うけれど、きっと完全燃焼しきった人生だったと私は思いたいです。
葛城ユキさんのご冥福をお祈りいたします。